令和3年介護業界の離職率は8,6%でした。全業界の中で5番目にランクインされています。
退職の相談をする社員は円満退社を望み、本当の退職理由を伝えない人がほとんどです。
例えば家族の事情や自分の健康を理由にして本音を隠している場合です。
実際は職場の人間関係や仕事の評価や待遇に関する悩みを抱えていることが多いです。
もう退職すると意志が決定している人は退職したい介護職員にしてはいけないNG対応5選 をご参考ください。
ダメ上司のありがちな対応
突然、退職の話になると相手を引き留めたくなります、相手を説得するためには、どうしても自分本位に考えてしまい「きみに任せている仕事はどうなる。放り出すのか?」など厳しい口調になりがちです。
このような言葉を投げつけては、辞めることを考えている部下は自分のことに親身になってもらえていないと感じて、逆効果となってしまいます。
話をする際には圧力をかけないようにするのが最も重要です。
部下に寄り添って、部下が抱える問題を解決していきましょう。
退職希望者の本音をつかむ為のポイント4点
- 話を否定し議論をしない
- 相手を理解するための傾聴
- 引き止める側から自己開示する
- 他の社員に知られないようにする
話を否定し議論をしない
本音を聞き出すためにも「議論しないこと」を心がけましょう。
本音の心理を汲み取った上で話し合いを行わなければ、どれだけ話し合っても会社を辞めたいという気持ちから離れることはありません。
退職理由が自分都合によるものだったとしても、管理側の立場で反論はせず、まずは耳を傾けるようにします。
相手の立場に立って話し合うことが重要で、否定するような表現やその場しのぎととられるような表現には気をつけるようにしましょう。
相手を理解するための傾聴
「聞く」行為は受動的だと捉えられがちですが、実は相手に働きかける積極的な行動です。
特に、部下は上司に対して「わかってほしい」「認めてほしい」という想いを強く抱いています。
上司が真剣に話を聞いてあげられれば「やっぱり、もう少しここで働きたい」と心が動くかもしれません。
引き止める側から自己開示する
相談に来ても心を開いていないので退職を希望する人から何も話してくれない場合もあるでしょう。
その時は引き止める側から自己開示することで相手も話をしやすくなる場合があります。
「自身の半生」や「何を考えてこの会社で仕事をしているのか」「今後のキャリアビジョン」などを話してみてください。
引き止める側の話に共感する部分があれば、それをきっかけに本音を話し出すこともあるかもしれません。
寄り添う姿勢を見せることが大切です。
他の社員に知られないようにする
退職の話題はとてもプライベートな話題です。退職の意思が社内に広まってしまうと、撤回しにくくなります。
他の社員に知られないように進めることも大切なポイントですので、効果はないかもしれませんが他の職員へ退職に関して話すのは制限しておきましょう。
その社員を引き止めておきたい場合は、会社として保留の意思を伝え退職の意思を他言しないように依頼します。
また、退職が本決まりになるまでは通常の業務が普段通りにできるように配慮しましょう。
効果のある引き止め方3点
- 相手が抱える問題を解決する
- キャリアアップの見直し
- 他部署との連携
相手が抱える問題を解決する
退職希望者が抱え込んでいた不満や不安を聞いて、一緒に問題点を見つけ出し何を望んでいるのかを確認しましょう。
仕事量の多さが大きな負担となっている場合は、状況をきちんと確認し、仕事量の調整やフォロー体制の整備を提案します。
人間関係が問題であれば、部署の配置換えを提案できるでしょう。
問題点を共有した上で、すぐに取り組める内容は改善策を提示し、制度や待遇などすぐに対応できない要求であれば、改善の意思を見せることで、思いとどまってくれる可能性もあります。
キャリアアップの見直し
退職を引き留めるためには、この先も職場で働き続けたいと思わせなければなりません。
相手にメリットある今後をプレゼンする必要があるのです。
そのためにはまず退職希望者本人のキャリアビジョンを改めてヒアリングし、希望する条件への見直しを図りましょう。
これまで会社に対して貢献したことや活躍したことなどを話し、会社や職場にとって必要な人材だと伝えることも大切です。
そして今後、期待したいと考えている役割について具体的に話すのもよいでしょう。
他部署との連携
人間関係や仕事内容に不満を抱えている場合、新たな可能性やキャリアプランを伝えるのが効果的でしょう。
客観的な視点からのアドバイスやフォローにより、相手は視野を広げ、この会社で働き続ける可能性を見出すこともできます。
引き止めるために有効な力のある2つの言葉
仕事を辞めたいと思っている時は、会社にとって自分は必要のない存在だと認識している状態です。
そんな時に「あなたが必要なんだ!」と相手側からアプローチされては心が揺らいでしまうはずです。
どんな人も承認欲求を持っているので必要とされているとモチベーションは高い状態を維持できるでしょう。
もう一つは仕事に対する評価への不安を取り払ってあげることです。
これまでの仕事に対する頑張りや、会社に対する貢献を明確にし「今後あなたに任せたい仕事がある!」と伝えます。
今までの頑張りは間違っていなかったという自己肯定感を満足させるでしょう。
まとめ
あなたの役職や立場によって対応の仕方を変える必要がありますが、いずれにせよ、退職希望者が「きちんと話を聞いてくれた」「改善策を提示してくれた」と感じられる対処を行うことが大切です。
突然退職の意思を告げられないように、普段からのコミュニケーションを心がけましょう。
[…] 会社を辞めるかどうか迷っている人が相談してきた時の対応 についてはこちらを読んでください。 […]