認知症者への基本対応
- 受容(否定しない、認知症者の世界観を受け入れる)
- 傾聴(自分のききたいことではなく、相手が話したいことを聞き出す)
- 怒らない(自己覚知によるアンガーマネジメントで対策)
点滴の抜去事例:
肺炎と心不全のため、入院治療が必要となりました。
入院時は活気がなく、ぐったりとした様子で臥床していましたが、点滴治療とともに活気を取り戻し始めたころに、点滴を刺入部から抜いてしまったり、輸液ラインを引っ張って点滴ボトルから抜いてしまいました。
点滴の抜去原因:
・邪魔、不快感
肌に当たり気になってしまう
・認知症
点滴の意味が分からない
点滴の抜去対策:
- 刺入部に包帯を巻く
- 輸液ラインを袖先から出さずに首元から通して出す
- 目に入るところに点滴ボトルを吊るさない(体位変換後は、反対側に吊るし換える)
- ラインを固定しているテープが“かゆくないか”“固定部位が当たって痛くないか”確認する
- 輸液ラインの延長チューブを1m長くして、動いたときにもゆとりをもたせる。また途中で輸液ラインをどこかに固定して、引っ張られる違和感や、点滴ボトルからラインが抜けるのを予防する
- 触ってもよいもの(例として週刊誌・新聞、家から持ってきたなじみのあるものなど、安全で興味をもてるもの)を持っていてもらい、ライン以外のものに注意を向けてもらう
・説明する
また、どうせ覚えられないからと患者さんへの説明を省いてはいけません。説明は繰り返ししてあげてください。患者さんにとっては初めて聞くことであり、その場では安心できます。
認知症対応のポイント:
・目に見えない、気にしない、触らないような工夫
針の部分が見えないように長袖
チューブが見えないように衣類の中を通し首元から出す。
・安易に身体拘束をしない
自分で抜去して欲しくないからと、本人の手を不自由にするために、ミトンや手袋をつけるのは慎重にしましょう。また、ベット柵に手を縛り付けることも同様です。
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