バリアフリー・ユニバーサルデザインとは?の記事で言葉の意味など詳しくご紹介しましたが、今回は具体的に取り入れられている事例をご紹介したいと思います。
また生活に溶け込んでいるユニバーサルデザインの具体例もよろしければご覧ください。
政府主導のもと行われる活動
政府は毎年1回、政府が講じたユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の実施状況を取りまとめ公表することとされています。「ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律」(平成30年法律第100号)第7条において約束されています。
屋外のバリアフリーデザイン
最も目につきやすいのは屋外のバリアフリーデザインでしょう。
自動ドア
代表的なユニバーサルデザインであり、いわば7原則すべてが組み込まれているといえます。
その設計は歩行に不自由のない方々だけでなく、高齢者や車いす利用者など移動のために時間や空間を要する人にとっても、意識することなく安全な出入りを可能にしてくれます。
点字ブロック
点字ブロックの正式名称は視覚障害者誘導用ブロックです。
目に不自由のある人が足の裏の触感覚や白杖の感覚で道を認識することが目的に作られたプレートになっています。
表面に突起があるため目に不自由のある人でも道を認識することができます。
スロープ
最近、屋外でよく見かけるのがスロープです。
車いすの介助などで役立つだけでなく階段などでは健常者も転倒する恐れがあるため多くの人が便利に使うことができます。
屋外の施設だと階段の横にスロープが併設されているものも多いでしょう。
傾斜によっては角度がきつく安全に車いすやベビーカーを押すのが難しい場合があるので注意が必要です。
メロディ信号機
信号機が青であることを視覚障がい者に知らせるための装置がメロディ信号機です。
信号機が青になると外部に接続したスピーカーより誘導音を鳴らし視覚障がい者に青であることを知らせます。
視覚だけでなく聴覚でも通行可能であることがわかるので健常者にとってもわかりやすい機械です。
身近な施設のバリアフリーデザイン
駅でのバリアフリー
車椅子の人や足の不自由な人が移動しやすくする手段にはエレベーターやエスカレーター、スロープが挙げられます。
階段とエスカレーターしかない場所には車椅子の利用者のために昇降機が設けられていることもあります。
自動改札の一部では車椅子が通りやすいように幅を広めにしています。
目の不自由な人に向けたバリアフリー設備
床面には誘導ブロックが取り付けられています。
点字運賃表や駅構内の案内板として触知案内板といった音声と触知や点字で伝える案内板があります。
傾斜型自動販売機は車椅子を利用している人も画面を見ながら操作しやすいようにつくられたものです。
目の悪い人に向けたテンキーがついた券売機や音声ガイダンス機能のある券売機もあります。
学校でのバリアフリー
最近では学校などの教育機関でもバリアフリー施設が豊富に設置されています。
特に多目的トイレなどは10年前と比べて非常に数が多くなってきています。
文部科学省が出している学校施設バリアフリー化推進指針では、児童生徒に快適で豊かな空間として整備して提供することを唱えています。
レストランでのバリアフリー
レストランのバリアフリー設計では、主に車椅子の人が介助者なしで一人で来店が可能なレストランとなるよう設計されています。
まず入口に段差が無いことやスロープが取り付けられている、2階以上ではエレベーターで上がれることが条件となります。
さらに店内には車椅子が十分通れるスペースがあって段差がなく車椅子対応のトイレが必要です。
バスの乗り降り
写真のようにノンステップバスやリフト付きのバスが増えています。
バリアフリーマップ
身近な施設はバリアフリーマップでチェック
区市町村バリアフリーマップ一覧(令和4年3月現在) 東京都福祉保健局 (tokyo.lg.jp)
バリアフリー設備が整った施設がどこにあるのか確認する手段として便利なのがバリアフリーマップです。
バリアフリーマップは都道府県や市区町村独自に作成されています。
主にバリアフリー設備が整った公共施設や宿泊施設、物品販売施設、飲食店が掲載されています。
都道府県や市区町村によってはホームページなどで公開していますのでご確認ください。
家でできるバリアフリーデザイン
また街中だけではなく家の中にもバリアフリーのリフォーム工事を取り入れる人が増えてきています。
将来、家族や自分が高齢化したときにバリアフリー化していると生活しやすくなったり、QOLの質を下げず快適に過ごすことができます。
手すりの取り付け
廊下や階段等に手すりを取り付けることで足元が安定しないときも安心して歩くことが可能です。
足元が滑りやすい浴室に手すりを設置するのも安全に繋がります。
手すりの設置は家の構造を改革するような大幅なリフォームではないため容易にリフォームすることが可能です。
3万円程度から設置することができるため、必要箇所を洗い出し業者に依頼するだけで設置ができます。
段差の解消とスロープの設置
段差は転倒などに繋がる恐れがあるため、スロープにリフォームするのがおすすめです。
車いすを自宅内で利用している人にとっても、室内で使用しやすい環境になるでしょう。
段差のリフォームは傾斜の角度についても配慮しなくてはならないため、業者と綿密な打ち合わせが必要です。
トイレの変更
寝室のそばにトイレを設置すると深夜の移動が楽になります。
またトイレの場所を水周りの設備の近くに設計することでトイレや洗面・入浴が効率的に行えます。
将来的に介護が必要になった際に安全な導線が確保されます。
ドアの変更
またドアはハンドルタイプではなく引き戸タイプにすると力をかけずに簡単に開閉できます。
ハンドルタイプだと幼い子が頭をぶつける可能性などもありトラブルが多いですが引き戸タイプだと扉自体に凹凸がないためトラブルを防げます。
住宅でのバリアフリーの事例
- 浴室やトイレ、階段への手すりの設置
- 室内の段差の解消
- 玄関へのスロープの設置
- 廊下に車いすが通れるスペースを確保
- 扉を引き戸タイプに変更
住宅でのユニバーサルデザインの事例
- 階段の勾配を緩やかにする
- ホームエレベーターの設置
- キッチンへレバー式の水栓を設置
- 廊下にフットライトを設置
- 浴室の床を滑りにくくする
補助金の適用ができるかも?
介護のリフォーム工事は介護保険を適用できますので、最大20万円までの補助を受け取ることが可能です。
詳しくは工事の担当者もしくは近くのケアマネージャーにご相談ください。
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